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51.5×36.4cm 油彩 B3木製パネル 2009年 |
二坪に足らぬ市中の日蔭の庭に、よくも恁う生ひ立ちしな、一本の青楓、塀の内に年経たり。
然るも老木の春寒しとや、枝も幹も唯日南に向かひて、戸の外にばかり茂りたれば、広からざる小路の中を横ぎりて、枝さきは伸びて、やがて対向なる、二階家の窓に達かんとす。
其窓に時々姿を見せて、われに笑顔向け給ふは、うつくしき姉上なり。
泉鏡花作「照葉狂言」冒頭より
そのまま挿絵のように具現化したものではありませんが、この小説の、特に冒頭部分に感化されて制作したものです。
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